clipped from www.asahi.com 大手邦銀の財務ファンダメンタルズは引き続き回復＝ムーディーズ 　［東京　１１日　ロイター］　ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、最近の市場の混乱にもかかわらず、大手邦銀の財務ファンダメンタルズは引き続き回復しているとの見解を示した。「邦銀システムアウトルック─大手銀行、成長戦略にとっては厳しい営業環境」と題するレポートで発表した。 　ムーディーズは５月、貸出ポートフォリオのパフォーマンスの安定化、巨額の投資有価証券ポートフォリオから加わる圧力が限定的なこと、収益源の多様化のゆるやかな進展に支えられた財務ファンダメンタルズの改善を反映し、メガバンクの銀行財務力格付けを引き上げた。結果、メガバンクの同格付けの平均は、Ｄ＋からＣ─に改善した。大手邦銀数行の銀行預金格付けをＡａ３からＡａ２に引き上げた。大手邦銀の預金格付けがＡａカテゴリーに引き上げられたのは、１９９０年代前半以来初めて。 　ムーディーズによると、巨額の企業与信集中にみられるように、メガバンクの事業モデルの主要な特徴は根本的に変わっていないが、リスクを吸収する能力の回復に伴い、信用集中エクスポージャーの信用の質は改善している。 　銀行セクターが現在直面する課題について、ムーディーズは、預金が国内の個人・法人貸出需要を上回るという流動性が極めて潤沢な金融環境で、収益とマージンを引き上げることと指摘している。