金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の福井総裁=11日午後、日銀本店
日銀の福井俊彦総裁は11日、金融政策決定会合終了後に記者会見し、米住宅ローン問題の影響について「金融市場は一部(状況が)改善してきたが、全体的にはなお不安定だ。世界経済にも不確実性がある」と述べ、欧米市場や米国経済の動きを慎重に見守る意向を表明した。


 米住宅ローン関連の金融商品で損失が生じた欧米の金融機関の信用不安が、完全には沈静化していないと指摘。来週ワシントンで開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、金融市場の安定回復が主要議題になるとの見通しを示した。


 日銀は国内景気は順調に拡大が続くとみているが、国際的な市場動向や欧米の中央銀行の政策判断を考慮しながら、慎重に利上げ時期を探る。市場では利上げは年末以降にずれ込むとの見方が一段と強まりそうだ。